
白老千八 純米吟醸 槽場直汲み 生原酒 冷蔵熟成とは? 知多の風土が醸す特別な一本
愛知県常滑市に蔵を構える「澤田酒造」が手掛ける「白老(はくろう) 千八(せんぱち) 純米吟醸 槽場直汲(ふなばじかぐ)み 生原酒 冷蔵熟成酒」は、日本酒愛好家からも注目を集める限定品です。
その名の通り、搾りたてのフレッシュな状態(槽場直汲み・生原酒)を保ちつつ、冷蔵環境でじっくりと熟成させることで、若々しさと奥深さを両立させた味わいが特徴です。
この記事では、その魅力の秘密、製造のこだわり、味わいの特徴、そして気になる実売価格まで、詳しく掘り下げていきます!
当サイト独自レビュー!|熟成とフレッシュさの共存

総合オススメ度:8点!
総評:フレッシュさが売りの生原酒なのに熟成した日本酒、といった骨太感のあるお酒です。
米の旨味が濃醇で力強く、しっかりとした酸味が全体を引き締めている、古き良き伝統的な日本酒という感じの、飲みごたえのある一本。
後口はキレの良く抜ける辛口感で、総じて「濃い旨酒」という印象。食中酒としても優れているお酒よなっています。



共存しているって感じがいい!
なんとなく樽酒っぽい感じもするかな!

食中酒にいい感じ!

フレッシュなのに熟成!
共存しているって感じがいい!
なんとなく樽酒っぽい感じもするかな!

古き良き日本酒って感じの骨太感があるね!
食中酒にいい感じ!
蔵元「澤田酒造」と「白老」ブランドの歴史と想い
澤田酒造は、嘉永元年(1848年)創業の歴史ある酒蔵です。
知多半島の豊かな自然に育まれた水と米を用い、「和釜・木甑・麹蓋」といった古式伝承の酒造りの良さを大切にしながら、次世代へとその技を継承しています。
「白老」というブランド名は、「米を白くなるまで磨く」という酒造りの美意識を表す「白」と、「延命長寿」の願いを込めた「老」から名付けられました。この名には、美しく洗練された酒でありたいという想いと、長く愛される酒でありたいという願いが込められています。
蔵元は裏ラベルで「食と楽しめるお酒を造っています。合わせて、知多の自然や食風土にも想いを馳せて飲んで頂ければ嬉しいです」と語っており、単に美味しいだけでなく、その土地の文化と共に味わうことの豊かさを提案しています。
2020年には麹室が火災に見舞われるという困難もありましたが、多くの支援を受け、同じ愛知県内の蔵元の協力を得て酒造りを継続し、麹室も再建されました。このような経験も、蔵の酒造りへの情熱と絆をより強いものにしていると言えるでしょう。
「白老千八 純米吟醸 槽場直汲み 生原酒 冷蔵熟成」のこだわり製法
この日本酒の個性は、その丁寧な製法によって生まれます。
広島県産の厳選酒米「千本錦」と「八反錦」
原料米には、広島県産の高品質な酒造好適米が贅沢に使用されています。
- 麹米:広島県産 千本錦(20%使用)
- 掛米:広島県産 八反錦(80%使用)
この二つの米をブレンドすることで、穏やかで上品な香りと、食事を引き立てるバランスの良い旨味が引き出されます。精米歩合は55%と、米の中心部だけを使い、雑味の少ないクリアな味わいを追求しています。
「槽場直汲み」による鮮烈なフレッシュ感
「槽場直汲み」とは、日本酒を搾る「槽(ふね)」と呼ばれる場所で、搾りたての酒をその場で直接瓶詰めする製法です。
この製法をすることによって、空気に触れさせる時間を極限まで短縮することができるため、まるで蔵でしか味わえないような最もフレッシュで生き生きとした風味を封じ込めることができるのです。
「生原酒」ならではの力強い味わい
通常、日本酒は貯蔵前や瓶詰め前に「火入れ」という加熱殺菌処理を行いますが、この酒はそれを行わない「生酒」です。
さらに、加水調整もしない「原酒」であるため、アルコール度数は16度以上17度未満とやや高めで、酵母が生きたままのフレッシュな香りと、米本来の濃厚で力強い味わいがダイレクトに感じられます。
また、火入をしていないことで酵母が生きているため、自然なガスが生じ、開栓時には注意が必要です。
「冷蔵熟成」による奥深さとまろやかさ
瓶詰め後、低温の冷蔵環境でじっくりと熟成させることで、生原酒の若々しい荒々しさが落ち着き、角が取れたまろやかさと味わいの奥深さが増します。
フレッシュ感と熟成感が絶妙に調和した、複雑で奥行きのある酒質へと昇華します。
その他の醸造データ
- 酵母:きょうかい10号
- 日本酒度:+5
- 酸度:1.5
- アミノ酸度:1.1

数値的には淡麗辛口のお酒になるね!
「白老千八 純米吟醸 槽場直汲み 生原酒 冷蔵熟成」の味わいと香り
実際にこのお酒を味わうと、どのような感覚が広がるのでしょうか。

香り
フルーティーというよりは、昔ながらの日本酒らしい米の甘みを感じさせる穏やかな香りが特徴です。
吟醸香も派手すぎず、奥ゆかしさを感じさせます。
ほのかに樽のような香りもあり、複雑な香りの要素を感じ取ることができます。
味わい
最も印象的なのは、槽場直汲みならではの「プチプチ」とした自然なガス感。
口に含むと、その微炭酸が心地よい刺激を与えます。
味わいは、米の旨味が濃醇で力強く、しっかりとした酸味が全体を引き締めています。
古き良き伝統的な日本酒という感じの、飲みごたえのある一本と言えるでしょう!
余韻
後口には、やや強めのアルコール感と、心地よいビターな苦味が感じられ、キレの良いフィニッシュへと続きます。
総じて「濃い旨酒」という印象で、いろんな料理と合わせやすいお酒となっています。
おすすめの飲み方と料理ペアリング
この日本酒のポテンシャルを最大限に引き出すためのヒントをご紹介していきます!
最適な温度
- 冷やして(5℃~10℃):槽場直汲みならではのフレッシュなガス感、華やかな香り、キレの良さが際立ちます。
- 常温:冷蔵熟成によって引き出された米の旨味やコク、まろやかさがより豊かに感じられます。
▶︎ 詳しくはこちら >> 温度で変わる日本酒の魅力!冷酒から熱燗まで楽しむ極上の味わいと厳選おすすめ銘柄
相性の良い料理
穏やかな香りとしっかりとした旨味は様々な料理と好相性です!
- 魚介類:知多半島の新鮮な刺身や寿司、焼き魚などとの相性は抜群です!
- 和食全般:出汁の効いた煮物、天ぷら、焼き鳥(特に塩)と合わせることで、より料理の美味しさを感じ取りやすくなります。
- その他:塩味の効いた料理や、素材の味を活かしたシンプルな料理と合わせることで、互いの良さを引き立て合います。
蔵元が「食と楽しめるお酒」と語るように、ぜひ食事と共に楽しんでみてください。
実売価格と入手方法
「白老千八 純米吟醸 槽場直汲み 生原酒 冷蔵熟成」の720mlボトルの実売価格は、販売店によって異なりますが、おおむね税込1950円前後で取引されています。
限定性と入手について
このお酒は「年に一度だけ」の「厳選特約店限定」で蔵出しされる特別な商品であり、季節限定品(例年2月頃の入荷情報あり)でもあります。
そのため、入荷数が少なく、人気も高いため早期に完売することが多いです。見かけた際には、早めの購入をおすすめします。
保存方法
生原酒ですので、購入後は必ず冷蔵庫で保存してください。また、開栓時には自然のガスが勢いよく噴き出すことがあるため、ゆっくりと注意して開けるようにしましょう。
「白老」ブランドの他のラインナップとの比較
澤田酒造の「白老」ブランドには、他にも魅力的な商品があります。
商品名 | 主な特徴 | 参考価格(720ml換算・税込) |
千八 純米吟醸 槽場直汲み 生原酒 冷蔵熟成酒 | 本記事対象。広島県産米(千本錦・八反錦)使用、槽場直汲み、冷蔵熟成 | 約1,950円 |
白老 夢吟香 純米吟醸 | 愛知県産酒米「夢吟香」使用。華やかな香りと柔らかな旨味。槽場直汲み版もあり。 | 約1,600円~1,760円 |
白老 千本錦 純米吟醸 | 広島県産「千本錦」を100%使用。より深く芳醇な味わい。槽場直汲み版もあり。 | 約2,350円 |
白老 でらから 純米 槽場直汲生原酒 | 超辛口タイプ。すっきりとしたキレと米の旨味のバランス。 | 約1,606円 |
それぞれに個性があり、飲み比べてみるのも一興です。
まとめ:「白老千八 純米吟醸 槽場直汲み 生原酒 冷蔵熟成」で特別な一杯を
澤田酒造が伝統製法と情熱を込めて醸す「白老千八 純米吟醸 槽場直汲み 生原酒 冷蔵熟成」は、搾りたてのフレッシュな魅力と、熟成による奥深い味わいが共存する、まさに特別な一本です。
広島県産の良質な酒米のポテンシャルを最大限に引き出し、槽場直汲みという手間のかかる製法で瓶詰めされたこのお酒は、日本酒の新たな発見と感動を与えてくれるでしょう。
価格も比較的手に取りやすく、自分へのご褒美はもちろん、日本酒好きな方への贈り物としても喜ばれるはずです。知多半島の風土に想いを馳せながら、この限定酒ならではの「プチプチ」とした口当たりと芳醇な旨味を、ぜひご堪能ください!
▶︎ 「白老千八 純米吟醸 槽場直汲み 生原酒 冷蔵熟成」を探すならこちら >>
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