
猫好きと日本酒ファンの心を掴んで離さない「サビ猫ロック」シリーズ。
2025年に誕生10周年という大きな節目を迎え、そのメインシリーズである「rust note(ラストノート)」が酒質・デザイン・コンセプトを大幅にリニューアルしました。
その第一弾として2025年2月22日(猫の日)にリリースされたのが、今回ご紹介する「サビ猫ロック rust note 黒」です。
新潟県糸魚川市の猪又酒造が醸すこの純米吟醸は、地元産の酒米「五百万石」を100%使用し、伝統的な製法と新しい技術を融合させた、まさに新時代の淡麗辛口酒と言えるでしょう。
この記事では、生まれ変わった「サビ猫ロック rust note 黒」の造りのこだわりから、その特徴的な味わい、価格、そして尽きない魅力まで、余すところなくお届けします!
当サイト独自レビュー!|パンチ力は猫パンチ

総合オススメ度:6点!
総評:控えめながら、メロンやマスカットを思わせる清涼感あふれる爽やかでフルーティーな吟醸香。
淡麗さを基調としつつも、「シャープでほどほどの旨味」と「やわらかな酸」が全体を引き締め、味わいに輪郭を与えています。
低温長期発酵と無濾過生原酒ならではの「キレの良さと軽快さ、フレッシュ感」が後口を彩り、スッと消えるような潔い後味で、次の一杯を誘います。
辛口好きにはたまらないシャープなキレが楽しめるお酒です。
全体にまとまっている感のあるお酒で、パンチ力は猫にちなんで「猫パンチ」って感じかなw



シャープな旨味と切れ味、淡麗辛口のお酒ね!
辛口好きにはたまらないだろうね!

キレ良く飲めるから、食中酒にいいね!
生原酒にしてはアルコール度数控えめだから、安心して飲めるね!

生原酒だけど、アルコール度数が15度で低いね!
シャープな旨味と切れ味、淡麗辛口のお酒ね!
辛口好きにはたまらないだろうね!

醴(あまさけ)山廃酛で造られた奥深さのある味わいだね!
キレ良く飲めるから、食中酒にいいね!
生原酒にしてはアルコール度数控えめだから、安心して飲めるね!

「サビ猫ロック rust note」シリーズとは
「サビ猫ロック rust note」シリーズは、「猫と音楽と日本酒を愛するすべての人に捧げるオルタナティブな日本酒」をコンセプトに、酒米違いで3種類の味わいを楽しめる猪又酒造のメインシリーズです。
シリーズ名にある「rust note」は、「rust(錆び)」と「note(音符・音階)」を組み合わせた造語。「サビ猫」の「サビ」、音楽で最も盛り上がる部分を指す「サビ」、そして日本の美意識である「侘び寂び」の「サビ」など、多様な意味が込められています。「note」は音符や音階を指すと同時に、これらの精神や魂、お酒への美意識や世界観そのものを表現しています。
10周年リニューアル:新たな挑戦
サビ猫ロック誕生10周年を機に行われた今回のリニューアルでは、これからの10年を見据え、以下の4つの新方針が掲げられました。
- 協会1401酵母を使用すること
- 精米歩合は全種60%に統一し、純米吟醸規格で醸すこと
- 「醴(あまさけ)山廃酛」で仕込むこと
- 「無濾過生原酒」で瓶詰めすること
この大胆な変革は、シリーズの個性をより明確にし、酒米の特性を最大限に引き出すことを目指しています。
造りのこだわりと特徴
「サビ猫ロック rust note 黒」の個性的な味わいは、細部にわたる造りへのこだわりから生まれます。
1. 地元産「五百万石」100%使用
原料米には、酒蔵のある新潟県糸魚川市早川谷産の「五百万石」を100%使用しています。
特筆すべきは、この五百万石が蔵人自らの手によって栽培されたものである点です。しかもこの酒造で造られるお酒全てを自家栽培しているそうです(「五百万石」「越淡麗」「たかね錦」の3銘柄を栽培しています)。(参照:niigata-sake)
五百万石は新潟を代表する酒造好適米で、スッキリとした淡麗な酒質を生み出す特徴があります。
地元で育まれた米を使うことで、その土地の風土を色濃く映した味わいを追求しています。
2. 伝統製法「醴(あまさけ)山廃酛」仕込み
仕込みには、明治時代に一度途絶えたものの、改良を重ねて復活させた伝統製法「醴(あまさけ)山廃酛」を採用しています。
これは「蒸米・米麹・水」を高温で混ぜ合わせて糖化を行って甘酒を造り、そこに乳酸菌を添加して乳酸発酵を経て乳酸濃度の高まった甘酒を、酒母造りや三段仕込みにおける米、米麹、水に代えて用いるものです。
手間暇かかるこの製法により、酒に複雑さと奥行きが与えられ、やわらかな酸味とキレの良さを両立させています。
3. きょうかい1401号酵母(協会1401号酵母)の採用
酒の香りを決定づける酵母には、「きょうかい1401号酵母(協会1401号酵母)」が選ばれました。
この酵母は、バナナやマスカットのようなトロピカルフルーツのような爽やかでフルーティーな吟醸香を生み出す特徴があり、「サビ猫ロック rust note 黒」の爽やかな香りの源となっています。
4. 純米吟醸・無濾過生原酒・低温長期発酵
精米歩合は60%に統一された純米吟醸規格。そして、ろ過を一切行わない「無濾過」、火入れ(加熱殺菌)をしない「生」、加水調整をしない「原酒」の状態で瓶詰めされています。
これにより、搾りたてのフレッシュな風味や、お米由来の微細な旨味成分がそのまま活きています。
さらに、原酒でありながらアルコール度数を15%台に抑えるため、低温でじっくりと長期間発酵させています。
この丁寧な発酵管理が、アルコール度数を抑えつつ、雑味のないクリアな飲み口と、キレの良さ、軽快さを生み出しているのです。
味わいと香り
「サビ猫ロック rust note 黒」の最大の魅力は、その計算され尽くした香味のバランスです。
香り
グラスに注ぐと、メロンやマスカットを思わせる、清涼感あふれる爽やかな吟醸香がほのかに立ち上ります。派手すぎず、心地よいフルーティーです。
味わい
口に含むと、まず感じるのは「ほどほどのシャープな旨味」。五百万石らしい淡麗さを基調としつつも、米の持つ旨味がしっかりと表現されています。続いて、醴山廃酛由来の「やわらかな酸」が全体を引き締め、味わいに輪郭を与えます。日本酒度は+13と明確な辛口ですが、刺激的な辛さではなく、あくまでシャープでクリアな印象です。
フィニッシュ
低温長期発酵と無濾過生原酒ならではの「キレの良さと軽快さ、フレッシュ感」が後口を彩ります。
スッと消えるような潔い後味で、次の一杯を誘います。蔵元が「黒のコンセプトは、ズバッと辛口」と表現するように、辛口好きにはたまらないシャープなキレが楽しめます。
スペック詳細

項目 | 内容 |
商品名 | サビ猫ロック rust note 黒 |
特定名称 | 純米吟醸 無濾過生原酒 |
原料米 | 五百万石(新潟県糸魚川市早川谷産・蔵人栽培米) |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | 協会1401号 |
仕込み | 醴(あまさけ)山廃酛 |
アルコール度数 | 15.5度 |
日本酒度 | +13 |
酸度 | 2.5 |
アミノ酸度 | 1.4 |
製造元 | 猪又酒造株式会社(新潟県糸魚川市) |
容量・販売価格 | 720ml :1760円(税込) 1800ml:2970円(税込) ※価格は販売店によって異なることがあります。 |
発売日 | 2025年2月22日 |

「サビ猫ロック rust note 黒」3つの魅力
① 唯一無二のコンセプトとストーリー性
「猫と音楽と日本酒」というユニークなコンセプト、そして「rust note」に込められた多様な意味合い。
飲むだけでなく、その背景にあるストーリーや世界観も楽しめるのが大きな魅力です。
可愛らしい猫のラベルも目を引きます。
② 伝統と革新が融合した高品質な酒質
地元産の米にこだわり蔵人自ら栽培する姿勢。
手間暇がかかり、製法としてもリスクのある醴山廃酛という伝統製法への挑戦。
そして、きょうかい1401号酵母(協会1401号酵母)の採用や低温長期発酵といった現代的な技術の導入。
これらが融合することで、他にはない個性と高い品質とを両立した魅力を見せています。
③ 飲むことで繋がる動物保護への支援
少し面白いと思うのは、このお酒の売上の一部が動物保護活動に寄付されるという点です。
美味しいお酒を味わいながらささやかながら社会貢献にも繋がるというのは、飲み手にとっても嬉しいポイントではないでしょうか。
おすすめの飲み方・ペアリング
「サビ猫ロック rust note 黒」のフレッシュでシャープな味わいを最大限に楽しむためには、冷蔵庫でよく冷やして雪冷え〜花冷え(5℃~10℃程度)で飲むのがおすすめです。
温度が低くなることでキレよくシャープに飲め、少しずつ温度が上がってくると、今度は無濾過生原酒ならではのフレッシュで華やかな香りを楽しむことができます。
おちょこもいいですが、温度が上がらずに飲み切れ、かつ見た目にもおしゃれなフルートグラスで飲むのもオススメです。

相性の良い料理
その淡麗辛口な酒質は、食中酒として幅広い料理とマッチします。
- 魚介類:白身魚の刺身、カルパッチョ、焼き魚(塩)、魚介のマリネなど、素材の味を活かしたシンプルな料理。
- 野菜料理:フレッシュなサラダ(和風ドレッシング)、野菜の天ぷら、アスパラガスのグリルなど。
- 肉料理:鶏むね肉のハーブ焼き、豚しゃぶ(ポン酢で)など、比較的軽めの肉料理。
- その他:豆腐料理、だし巻き卵、和風パスタなど。
シャープなキレが口の中をリフレッシュしてくれるので食欲を誘いつつ、次の一口を美味しく感じさせてくれます。
製造元「猪又酒造」について
猪又酒造は、新潟県の西端、糸魚川市に蔵を構える酒蔵です。代表銘柄は「月不見の池(つきみずのいけ)」。
周囲を2000m級の山々に囲まれた早川谷の豊かな雪解け水と、昼夜の寒暖差が大きい気候を活かし、良質な酒米栽培から酒造りまで一貫して行っています。
「飲み進めるにつれておいしさが増す日本酒」を目指し、丁寧な酒造りを続けています。
まとめ
10周年を迎え、新たなステージへと進化した「サビ猫ロック rust note 黒」。
地元産五百万石のポテンシャルを最大限に引き出し、伝統的な醴山廃酛仕込みと現代的な醸造技術を融合させることで、シャープなキレと爽やかな香り、そしてやわらかな酸味が見事に調和した淡麗辛口の純米吟醸酒が誕生しました。
猫好き、音楽好き、そして何より美味しい日本酒を求めるすべての人に、ぜひ一度味わっていただきたい逸品です。
飲むことで動物保護にも貢献できるという点も、このお酒を選ぶ素敵な理由の一つになることでしょう!
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